紅蓮のブログだよー。

創作を気ままに置いていくブログです。

軽く創作説明

幻想人迷劇
東方Projectの作品内に登場する世界、幻想郷に迷い込んだ少年の物語。
タイトルは適当に考えたものであり、個人的妄想の詰め込み。

幻想人迷劇 パラレルワールド
上記の少年がなぜだか任天堂のゲーム、スプラトゥーンの世界に迷い込んでいる話。
書きたかっただけ。

イカノイア
完全にスプラトゥーンのお話。
田舎から来た二人の男女が頑張るお話。
キャラ設定はTwitter参照。
パラレルワールドとは基本的に関係ないが、互いに絡ませるつもり。
タイトルは、パラノイアとイカを混ぜた造語。
パラノイアの意味はGoogle先生曰く、
ある妄想を始終持ち続ける精神病。妄想の主題は、誇大的・被害的・恋愛的なものなどさまざまである。偏執(へんしゅう)病。妄想症。
...らしい。

イカノイア 1話

ハクとシズクは電車に揺られている。
胸に大きな希望を抱いて、ハイカラシティへ向かっている。

そう、とうとう念願のハイカラシティへと行けるのだ。
この世に住む全てのイカが憧れるであろう大都市、ハイカラシティへ。

「いやー、楽しみだな、シズク!」
「ハク、電車の中で騒がしい。」

もう何度も繰り返したであろう会話をしていると、車窓から大きなビル群が見えてきた。

「おお、あれがハイカラシティなのかな!?」
「多分ね。...ほら、そろそろ着くよ?」
「おう!」

親から買い与えて貰った物が詰まっているバッグを持ち、駅への到着を待つ。
胸の高鳴りを抑えきれないハクを横目に、シズクは不安が募っていくのを感じていた。
人見知りな自分にここで生活が出来るのか、と。

そんな心配をよそに、電車は駅に着いた。

「さぁ、都会への一歩目だ!」
「ハク、田舎者オーラ丸出し。」

駅のホームに降り、改札を抜ける。
少し歩いて、表へ出る。
そこから見えた景色に、二人は息を飲んだ。

「ここが...ハイカラシティ!」
「思ってたよりも、ずっと凄い...」

色とりどりの看板。地元とは違う、高く、巨大な建物。街を歩くイカした市民。
目に映る全ての事柄が新しく、魅力的だった。

「すっげぇ...」
「うん...」

暫く二人は見とれていたが、やがてシズクが我に返り、最初の目的を達成すべく、ハクに話しかけた。

「...ハク、観光は後でも出来るから、今はとりあえず家を見つけよう?」
「お、おう、そうだな。不動産屋に行くか!」

二人は手に持っていたパンフレットやガイドをアテに、不動産屋へ向かった。

「いらっしゃいませ。新しいお住まいをお探しですか?」
「はい。つい先程こちらに来たもので、まずは帰る場所を確保しようかと。」
「良い心掛けですね。お客様方はご兄妹ですか?」
「いえ、幼馴染みです。」
「では別居ということでよろしいでしょうか?」
「あぁ...シズク、どうする?」

ハクは1人でシズクが大丈夫か心配になったのでとりあえずシズクに聞いて見ることにした。
重度の人見知りであるシズクが一人暮らしはキツイのではないか、と判断したからだ。

シズクは思った。
確かに一人暮らしは不安だったので同居した方が安心だと思う。
だが、それを今ここで同居すると言った場合、この不動産屋にはどう思われるだろうか。間違いなくよからぬ方へ勘違いされるだろう。
しかし、背に腹は代えられないので、シズクは仕方なく―

「...同居でお願いします...」

こう言うしかなかった。

「か、かしこまりました。現在なるべく安くご提供出来る良い物件が丁度ありますので、そちらへ下見に行きますか?」
「あ、お願いします。」

そして下見を終わらせ、契約を済ませた二人は安いにも関わらず広く、特に訳ありでもないとても良い場所へ荷物を移した。

「よいしょ、っと...。これで大きい物は終わりか?」
「うん、これで終わり。...ってか、よくこれだけの量を1人で持ってこれたね...普通2人がかりとかで運ぶものだよね...?」
「まぁ...鍛えてますから...?」

シズクが驚くのも無理はない。なぜなら、冷蔵庫やテレビ、タンスにベッドなど生活に必要な物を全て1人で余裕の表情で運びきったからだ。

「よし!ひとまず休憩しよう!」
「お疲れ様。はい、これお茶。」
「おお、ありがとう!」

シズクは思った。
なんだかんだで、上手くやって行けそうだ、と。

幻想人迷劇 パラレルワールド(またか)

「…ハッ!?」

寝転がりながら考え事をしていたらどうやらまたあの世界に迷い込んだらしい。

「…マジか。」

とはいえ街の中心で突っ立ったままなのもアレなのでとりあえずロビーに向かう事にした。

「…あ!あの時の!」

ロビーに入った途端に元気のいい聞き覚えのある声が耳に入った。

「…ダイナモちゃん?」
「そうそう!覚えててくれたんだね!」

彼女は俺が以前ここに飛ばされた時に出会った女の子だ。多分愛用ブキはダイナモローラーテスラだろう。

「まぁね~」
「えへへ…今日もスクイックリン使うの?」
「いや、とりあえず顔だしてみただけだからこれから装備選んで来ようかなって思ってたところだよ」
「そっか!じゃあ私待ってるね!」
「え、別に先にバトルしてて大丈夫だよ?」
「いいの!私が待ちたいだけだから!」
「そ、そっか…じゃあ、装備変えてくるね?」
「うん!」

装備を選択しに来たわけだが、ふと自分の状況を見てみると、いつの間にやらランクが倍以上になっていた。一体俺の意識がない間何があったのだろう。

今回は長射程のチャージャー、3kスコープを使う。
ギアはスカッシュバンド、スタジャンロゴマシ、アケビコンフォートだ。
俗に言うゴリラというやつだろう。

そしてロビーに戻るとやはりダイナモを持った女の子がいた。

「待たせちゃったね、ごめん!」
「全然気にしてないよ!っていうか、全然時間経ってないよ!?」
「え、あ、本当だ!」

時計を見るとまだ1分程度しか経っていなかった。

「…じゃ、行こうか?」
「そうだね!」

エントランスからレギュラーマッチのロビーに入り、始まるのを待つ。その間、ダイナモちゃんと話をしていた。

「…そろそろ始まるね!行こ?」
「おう!」

ステージはネギトロ炭鉱。
味方チーム
3kスコープ(俺)
ダイナモローラーテスラ(ダイナモちゃん)
スプラシューターコラボ(男)
ボールドマーカー(男)

敵チーム
L3リールガン(男)
ラピッドブラスターデコ(男)
スプラローラー(女)
N-ZAP89(女)

ナワバリバトルが始まる。

俺はすぐに左中央に降りる高台に向かい、ダイナモちゃんはその先へ、他のふたりは右側へ向かった。

「私、イカサーの姫だねぇ…」
「そうだねぇ…」

なんて言葉を交わしつつ、俺は定位置につき防衛を始めた。
場所としては左端の敵から登れない場所にある高台だ。

ダイナモちゃんがどんどん塗っている間、敵が攻めて来たらすぐに撃ち抜いて防衛をした。

「ぐれん君、ありがと!」ナイス!
「任せろー!」

と。次の瞬間敵のローラーが上からダイナモちゃんに殴りかかってきた。
ダイナモちゃんは気付いていない様子で、俺も手を振っていた為すぐに反応できなかった。

「喰らいなさいリア充!」

そんな叫びを上げつつ降ってくるローラーが、一瞬でやられた。

「私を甘く見てもらっちゃあ困るよね」

どうやら、ダイナモちゃんがすぐに自分の獲物を振り下ろし、返り討ちにしたらしい。
反応速度といい、ダイナモをカーボン並の速さで振る腕の強さといい、もしかしたら敵に回すとやばいタイプかもしれない。

「…すげぇな」ナイス!
「えへへ~!鍛えてますから!」

どんな鍛え方したらカーボン並の速さでダイナモを振れるんですか。

向こう側を見てみると、ボールドマーカーがラピッドデコ相手に雷神ステップを使って倒しているところが目に入った。
あのボールド、神だったのか。

ダイナモちゃんが敵陣に攻め込んでいる間、ちょこちょこと攻めてくる赤ザップをひたすら撃ち抜いていた。

パリィン。そんな音がした。

「くっ!?」

突然体に力が入らなくなり、立っているのが精一杯になった。後ろからL3にポイズンボールを投げられたらしく、すぐそこまで来ているのが見えた。

「マズイ…ッ!」

身構えたが、なかなか撃ってこない。

「いやぁ、眼福だわぁ!」

突然、L3が喋り出した。

「あぁ、ごめんねぇ?君のポイズン食らってる時の顔がすっごいそそってさぁ。思わず見とれちゃったよぉ。」
「!?」
「怖がらないでいいんだよぉ?勿論その表情もイイんだけどねぇ!もっと…もっと君の色んな表情を見せておくれよぉ!」

マズイ。これは本格的にマズイやつだ。
助けてもらおうにもダイナモちゃんはまだ敵陣にいる。

「…ん?君はだぁれ?」

誰に話しかけているのか、顔を上げると、ブキを頭に突き付けられているL3の姿があった。

「うちのチームの子にそんな目で見られちゃ困るわねぇ」

ブキに触れている手をたどって見ると、味方のスシコラがいた。
この人、オネェか。

「確かにいい男だしそそるのはわかるわよ?でも、勝手に手を出しちゃだぁめ♡」ズガン!ズガン!!ズガン!!!

スシコラにあるまじき射撃音をたててL3をたおした。

「すみません、助かりました…」
「いいのよ、アタシもいい男には目がないから」
「!?…は、はい。」

そこでバトルは終わった。
結果はまたもや圧勝だった。

「いぇーい!勝った勝った!」
「おつかれー…」
「あ、ぐれん君、大丈夫だった?掘られそうだったと聞いたけど」
「!?…だ、大丈夫だよ?」

誰から聞いたんだろうか。

「そっか!ならよかった!」
「おう!」
「にしても、今日も相変わらずの活躍だったねぇ!13キルって、ナワバリバトルのキル数じゃないよ~?」
「気がついたらそんな数だったよ…」
「ひえぇ、怖いなぁ…」
「あはは、嘘嘘!ずっと防衛してただけだよ!」
「だ、だよね!」
「当たり前だよー!」

その後も小一時間話したりして、その後に別れた。
またここに来るとは思ってなかったが、次来た時には掘られないようにしないとなぁ。

幻想人迷劇 その弐拾伍

結局あの後、フランちゃんが飽きた、と言い出してくれたお陰で弾幕戦は幕を閉じた。いや、描写が上手く出来なかったとか面倒になったとかじゃないよ?

「久しぶりに沢山動いたわ。私の遊びに付き合いきれる人間なんてそうそういないから、少し嬉しかったわ。」
「光栄です、妹様。」
「…ねぇ、あなた。」
「はい、なんでしょうか?」
「心の中では私の事、妹様、って呼んでないわよね?」
「えっ…?」
「あぁ、別に気にしないでいいのよ?私も堅苦しいのはあまり好きじゃないから。」
「で、では、フランちゃん、とお呼びしても宜しいのでしょうか?」
「ええ、構わないわ。むしろそう呼んで頂戴。その代わり、と言ってはなんだけれど、私も堅苦しい喋り方を崩すわね。」
「わかりました、フランちゃん。」
「気にしなくていいっていってるじゃない。タメ口でいいんだからね、お兄様?」
「…か、からかうのはやめてください…」
「うふふ♪やっぱり人間の男の子は面白い反応をするわね~」
「もう、やめてくださいね?これ以上言われるとオーバーヒートしてしまいそうなんですから。」
「は~い」

この後フランちゃんと暫くの間色んな話をして遊んだ。

「じゃあ、俺はそろそろ戻らないといけないので、失礼しますね」
「本当だ、もうこんな時間なのね。」
「えぇ、もう夜中ですよ?人間の男の子の体は睡眠を欲する時間です。」
「わかったわ。また、遊びに来てね?」
「勿論。暇があれば何度でも遊びに来ますよ」
「ありがとう、嬉しいわ。…じゃあ、また今度遊びましょう?」
「はい。では、また今度~」

そう言って俺は地下室を後にした。

「…泊まっていけばいいのに。」

そんな少女の呟きを聞き逃して。


「…さて。夜に飛ぶのも久しぶりだなぁ…やっぱりここは外の世界と違って星が綺麗だ。」

「全くもって同意見だぜ。」

その言葉とともに近くによってくる人がいた。

「…魔理沙さんじゃないですか、なぜここに?」
「いや、キノコを採るのに無我夢中になっていて、気が付いたらこんな時間でな。んでふと空を見たらお前が飛んでたって訳だ。」
「相変わらずのキノコ愛ですね…」
「勿論だぜ。配管工にも勝てるキノコ愛を私は持ってるつもりだぜ?」
「でしょうね…そのキノコの山を見れば誰だってそう思いますよ」
「これでもまだ今までで一番一気に採った量に比べれば十分の一程度だぜ?」
「うわぁ…」

なんて話しているうちに魔法の森に着いたので俺と魔理沙さんはそれぞれの家の方面に別れた。
明日は何をしよう。博麗神社にでも行って遊ぼうかな。いや、その前にこのボロボロの体を休めよう。

幻想人迷劇 パラレルワールド(適当)

気がつくと、俺はなにやらとても都会的な場所にいた。俺は外の世界に来てたのかと思ったが、どうやら違うらしい。
タワーみたいな所にはでっかい変な生き物がくっついている。外の世界じゃ、まずありえない光景だろう。
ずっと上の方を見上げていた自分の視界を前に戻す。

「…!?」

思わず目を丸くする。
今俺がいる狭い広場のようなところに、どこかで見たような外見の男女が沢山いる。
あの外見、どこかで。
ふと自分の記憶を辿る。

「…マジか」

思い出したのは1つ。
スプラトゥーン、というゲームの中に登場するインクリング達だ。
どうやらここはハイカラシティで、俺は東方の世界「幻想郷」に迷い込んだ時と同じく、ゲーム「スプラトゥーン」の世界に来てしまったらしい。

それならば。
そう心の中で呟き、自分の体を見る。
間違いない、俺もこの世界の住人(人なのか?)と同じ体の作りをしている。

「あれ、出来るのかな…」

インクリングの特徴の一つであろう、イカになる事は出来るのだろうか。
そう思い、こんな感じかなーという風に体を動かしてみる。

ビチャ。

うん。出来る。
自分の状況を確認する。
どうやらランク、という概念で表すと俺は現在最高ランクらしい。
ならば、装備は。
これも確認してみると、全て揃っているようだ。

「…じゃあ、まずは。」

射撃場のような場所に移動し、目に付いた、というよりは気になっていたブキを取り、試しうちをする。
スクイックリンβ。チャージャー、簡単に言うとスナイパーのタイプのブキだ。
インクをチャージして打つ、エイムが大事なブキだ。
このブキは射程は他のチャージャータイプのブキと比べると劣るが、チャージに必要な時間は短くなっている。

俺がやろうとしているスタイルは、凸砂、と呼ばれるものだ。
スナイパーにも関わらず前線に突っ込み、高威力なのを活かして一撃で仕留める。そんなスタイルだ。
狙い撃つのは散々やらされた事だし、身に染み付いている。エイムに関しては問題は無い。

スクイックリンβの操作を覚え、試しうちをやめてハイカラシティに戻ってくる。
そのまま適当に他の装備を揃え、実戦に行く。

アタマはウーニーズBBキャップ。
フクはマウンテンオリーブ。
クツはブラックビーンズ。
ギアは気にしないで揃えた装備だ。
見た目は…知らん。

人数が揃い、ついにナワバリバトルが始まる。場所は、デカライン高架下。
味方は
ダイナモローラーテスラ(女)
パブロ(男)
プロモデラーRG(女)。
敵は
パブロ(男)
リッター3k(女)
わかばシューター(女)
スプラシューター(男)。

…え?ガチマッチ?
やだやだあそこの人達怖いもん!

バトルが始まった。
軽く自陣を塗りつつ前へ進む。
ダイナモが端の通路を塗っているようだ。
中央エリア、敵陣側に突っ込む。
インクを溜め、敵側の様子を伺う。一番に見えたのはスプラシューターのイカだ。

「…ここだ!」

撃ち抜く。するとその方向から大量のインクが飛んでくる。すぐにイカになり回避する。この飛沫、恐らくパブロだ。
曲がり角付近にトラップを仕掛け、裏を取りに行く。さっきから背中に斜線を当てられている気がする。
撃たれる前に逃げ、リッターが俺の後ろから来ていたプロモデラーをターゲットした頃を見計らいバレないように近づき撃ち抜く。

その付近を塗りつつ、敵リス側に攻めていく。そこに待ち伏せていたのは、わかば
危険を感じ、すぐにチャージして撃つ。
だがそのインクが届くよりもわかばがバリアを展開する方が早かった。

「…チッ!」

恐らくこのわかばは最初に自陣を塗り、スペシャルを貯めていたのだろう。
リスポーンしたリッターもそこまで来ていたので一旦逃げて中央の様子を見る。

バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャ。

「オラオラオラオラオラ!!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄!!!」

味方パブロと敵パブロが壮絶な戦いを繰り広げていた。
もしかしたら遊んでるかも知れないのでそっとしておき、今の内に敵に塗られていた中央を塗りに行く。

一体、いつの間に塗られていたのだろう。
そんな事を考え、塗りだした瞬間。
後ろから、スプラシューターが来ていた。

「しまっ…!」

やられたと思い、身構える。
あまりにも何も無いので目を開けると、そのスプラシューターは倒されていた。
その後ろには味方であるダイナモがいた。
きっと俺のピンチを救ってくれたのだろう。

「大丈夫だった?」
「すいません、助かりました…」ナイス!
「例には及ばんよ〜」

なんか、面白い子だなぁ。
お互いに塗りに戻る。
パブロ大戦を見てみると、オラオラ言ってた味方パブロが勝っていた。

「ふぅ、いい汗かいたぜ」
「…。」ナイス!
「お、ありがとよー」

中央を塗り返し、再び敵リス方面へ向かう。
俺は側道から、パブロは真ん中から向かった。

プロモデラーさんがリッターとわかば相手に苦戦していた。

さっき倒したスプラシューターとパブロもリスポーンして来てとてもマズイ状況だった。

「間に合え…!」

すぐにリッターを始末し、わかばはパブロが倒してくれた。

「大丈夫ですか?」
「問題ない。」
「無事で良かったな!」ナイス!

クールな子なんだな。色んな性格の子がいて面白い。
ダイナモちゃんも合流し、敵陣をえげつないほど塗り進めていく。

「…ありがと」ボソッ

プロモデラーちゃん、クーデレか。
本人はきっと聞こえないように言ったのだろうが、俺にはちゃんと聞こえた。多分パブロさんは聞いてない。

みんなで塗っていると、敵チームが四人固まって一斉射撃してきた。
パブロさんは近くにいたスプラシューターを、プロモデラーちゃんはわかばを、ダイナモちゃんはパブロを一撃で。
俺は咄嗟にスペシャル、スーパーショットを使いリッターを瞬殺。

「なんか私扱い酷くない!?」

そんな断末魔が聞こえたのは気のせいだろう。
奇跡の撃ち合い(全勝)が終わると同時にバトルも終了した。
結果は言うまでもなく完勝。
みんなそれぞれハイカラシティに帰って行った。

「いやー、最後のアレ、熱かったね~!」
「え?あぁ、そうだね、チームが固まってくるとは思ってなかったよー」
「しかもみんな撃ち勝ったしね!」
「あれには驚いた…」
「しかもキミなんかスーパーショットでクールに倒したもんね!カッコよかったよ~!」
「お、俺はかっこよくなんかなかったぞ?女の子に助けて貰うとこもあったし…」
「それはそれ!それを言ったら、キミとパブロくんでプロモデラーちゃんを助けたじゃない!」
「そりゃ、女の子のピンチに助けてあげれない男はダサいじゃん?それはヤダからね…」
「(そういう所がカッコいいんだよ?)」
「それじゃ、私はこの辺で帰ろっかな〜。今度敵として会ったら、負けないからね〜?んじゃ、ばいばーい!」
「おう!俺も負けないぞ〜?」

自分の部屋に戻り、深い眠りにつく。
きっと次起きた時にはこの世界に俺はいないんだろうな。
それは悲しいけど、また、来たいな…。

幻想人迷劇 その弐拾肆

魔法の森を出て氷の妖精のいる湖へ。
湖を越え、遂に見えてきた。
目的地は吸血鬼の棲む紅い舘、紅魔館。
もっと正確に言うのならば、紅魔館の、地下室。

「さて…。うん。やっぱり寝てるよね…って、えぇ…」

紅魔館の門番、紅美鈴さんはいつも寝てると聞いてはいた。前回ここに来た時も確か寝ていた。
だが、その時とは明らかに変わっている。
…ベッドを置いて寝ている。

「咲也さんが置いたか、自分で置いたかだろうけど…」
「あら、また来たのね。今度は何の用なのかしら?」

突如、背後から声が聞こえた。この声は前にも聞いたことがある。
紅魔館のメイド長、十六夜咲夜さんだ。

「あ、おはようございます、咲也さん。今日はですね、妹様と遊んでみたいな、と思いまして来ました。」
「…あなた正気?妹様がどんな性格なのか、知らない訳ないわよね?」
「ええ、存じております。その上での交渉です。」
「…まぁ、この前のあなた達の弾幕戦を見させてもらったからあなたの強さはわかっているけれど…」

どうやって見てたんだろう。後で文さんの所に聞きに行ってみるか。

「……仕方ないわね。いい?命の危険を感じたらすぐに退くのよ。」
「心得ております。」
「そう。じゃ、案内するわね。」
「あれ、咲也さん忙しく無いんですか?」
「今はお嬢様が寝てるからそこまで大変じゃないわ。まぁ忙しくてもちょくちょく時を止めて仕事しつつ案内するわよ。」
「へぇ…」

「…そういえば。」
「どうしたの?」
「美鈴さん凄く安眠してませんでした?」
「あぁ、あのベッドは私が置いたのよ」
「…まじすか…」

「さて、着いたわよ、この扉の向こうは妹様の部屋。覚悟は出来てるわね?」
「勿論です!」
「そう。じゃあ、私は戻るわね。健闘を祈るわ。」
「はい、ありがとうございました」

さて、とうとう来てしまったわけだが…

「流石に開けたら即スペカはないよね…」

扉を開けた。


禁忌「クランベリートラップ」


開けた瞬間、赤と青の大小の弾幕が展開される。

「やっぱフラグだったのかよ…っ!?」

すぐに箒に跨り弾幕を避け始める。
やがて弾幕が収まって、止まった。

「アハハハハッ!!貴方。私と遊んでくれるのね?いいわ!ずっとずっとずぅぅっと、遊び続けましょう!?」

アカン。これはやばい方のフランちゃんだった。ちょっとお兄様とか言ってくれるかなとか思ってた前の俺を殴りたい。

「ええ、妹様と遊びに来たんですよ」



禁忌「レーヴァテイン」


炎の剣が、いや、大剣が現れる。
フランちゃんがこっちに突っ込んで来る。
しばらくは避け続けてみよう。


「ザ・ワールド」


時を止め、寸前でフランちゃんを避ける。
時を戻す。
すると、自分のいた場所がレーヴァテインによって1秒間に何千回ものスピードで切り裂かれた。
これは意地でも喰らえないスペルだな…

「貴方、なかなかやるのね!愉しくなってきたわ!」
「嬉しそうで何よりですよ、妹様。」

こっちは恐怖と少しの期待位しか無いんだけどね…

幻想人迷劇 その弐拾参

さて…一悶着終わったらなんか、疲れたな…

「そろそろ家に戻りますねー」

結局あの後三人で呑み会みたいな流れになってわいわいとやってたのだが…
気が付くともう夜中だったのだ。

「あぁ、もうこんな時間か。んじゃあ私もお暇するぜ」

「えぇ、二人とも気をつけてね。」

「では、また明日にでも。」

「また来るぜ」

そうして俺と魔理沙さんは博麗神社を後にした。

「今日は久しぶりに呑んだぜ」

「まさか俺まで呑まされるとは思ってませんでしたよ…」

「ここは幻想郷だし別にいいんじゃないか?」

「まぁ、そうですねぇ」

酒のせいで少し頭がぼーっとするが、飛んでいる今、ふらふらする訳にはいかないのでしっかり意識を保って飛ぶ。

「さて、明日はどうするかなぁ。魔法の研究もしたいがたまにはアリスの家に遊びに行こうか迷うぜ」

「楽しそうですね〜」

「アリスは本当に面白いぜ。…んじゃ、この辺で。じゃあなー」

「あ、はい。おやすみなさい」

と、いってもそこまで魔理沙さんの家との距離は離れていないのだけれど。

「ふぅ…疲れた疲れたーっと。」

家に帰ると明るい色彩の家具などが出迎えてくれる。
自分の部屋で荷物を置き、体を洗い、寝支度をする。

「…さて、寝るか」

明日は紅魔館にでも行こう。まだ会ってない方がいるから、その人に会いに行こう。
…あ、人じゃないか


〜翌日〜

「んんん…ふあぁ…」

鳥の鳴き声で目が覚める。
顔を洗い、着替えを済ませる。

「…さて、一応弾幕戦の準備はしておこうかな。」

会いにいく相手が相手なだけに油断は出来ない。念入りに準備はしておこう。

「よし。行こう」

家を出る。
今日の目的地は紅魔館の地下室。

会いにいく対象は悪魔の妹。
フランドール・スカーレットだ。