イカノイア 3話
紅蓮の戦いを見た後で、テンションが上がっていた二人は、初めてのナワバリバトルに飛び込むことにした。
「えーっと…塗れば良いんだよな!」
「…うん。頑張ろう、ハク。」
ステージ:デカライン高架下
味方チーム
わかばシューター(ハク)
わかばシューター(シズク)
スプラローラー(ボーイ)
スプラシューター(ガール)
敵チーム
スプラローラー(ガール)
わかばシューター(ボーイ)
スプラチャージャー(ボーイ)
スプラローラーコラボ(ガール)
ナワバリバトルが始まり、ハクとシズク以外の二人が各々のルートで前線へと向かう。
ハク達は数秒、スタート地点に取り残される形になった。
「と、とりあえず周りを塗っていこうか」
「…うん」
二人で手分けをして自陣を丁寧に塗っていく。そうこうしている間に、スプラシューターのガールが復活した。
「ほーう、本当に復活するんだぁ……」
何やらハクが感心しているようだったが、まだまだ塗られていない場所があったので、シズクは反応せずに塗り続ける事にした。
開始から一分程度経ち、自陣をあらかた塗り終わった二人は前線へ出た。
前線では敵味方含めた、ローラーを持った三人が必死に戦っていた。
「…ハク?」
「ん、シズク、どうした?」
「『バリア』って、味方にも、分けられる…んだよね?」
「あぁ、そうらしいな」
「…じゃあ、あそこで戦ってる味方に、バリアを分けられる、ってことだよね……?」
「…!そういう事か!よしわかった!」
ハクが、ローラーで戦っている味方のボーイに近づき、バリアを発動させる。
ハクを包んだ透明な球体はすぐにローラーボーイにも分けられ、ローラーボーイは敵チームの二人を倒した。
「ありがとう!助かったよ!!」
「おう!どういたしまして!」
敵が倒され、安全になったのを確認してから、シズクも近づく。
「やったな、シズク!」
「……うん」
そして味方全員で隅々まで塗り、時間になる。
結果は快勝。初のバトルは勝利で終わった。
ロビーから出て、ハクは体をぐーっと伸ばす。
「いやー、楽しかったな!」
「…うん、楽しかった。」
「そういえば、ランクが上がりました、って受付の人に言われたけど、どういう事なんだろう?」
「…『ランクとは、キミがイカにイカしてるかを表す単位の事。ランクを上げると、新しい事が出来るようになったり、新しいブキが使えるようになるぞ!』……だって。」
「し、初心者向けのガイドブック…いつの間に?」
「…駅に着いた時、ご自由にお取りください、ってあったから、取ってきた。」
「そ、そうだったのか!」
「…視界が狭くなるほど、楽しみだったんだね。」