紅蓮のブログだよー。

創作を気ままに置いていくブログです。

幻想人迷劇 その拾玖

「よし、練習してみよう!」
そして自分は近くの竹に手を出し…
爆破。…の筈だった。
自分の体を熱気が襲う。そして自分は倒れた。



「…ハッ!?」
そこは何故か迷いの竹林で、自分は妹紅さんと一緒に歩いている途中だった。

「どうした?」
「い、いえ、なんでもないです。」
「ん、ならいいんだが」

白昼夢でも見ていたのだろうか。しかしその夢はあまりにもリアル過ぎた。
…一体どこから夢だったのだろうか。

そうして自分は永遠亭につき、夢で見たやりとりを繰り返していた。
次は、こんなことにならないようにしよう。そんなことを思いながら…

「あ、あの、永琳さん!」
「どうしたの?急に。」
「永琳さんって…能力を持たない人に能力を目覚めさせる薬とか作ってませんか?」
「えらい具体的ね…まぁ、あることにはあるわよ?服用者に合った能力が目覚める薬。」
「く、くれませんか?」
「いいわよ?ただ、副作用がないかわりに凄い飲みにくい形になってしまったのだけど、本当にいいのね?」
「大丈夫です!」

ここで力をつけなくては。
恐らくにとりさんをこんな目に合わせた奴は…強い。

~数分後~
薬を飲んだ俺と永琳さん達は表の竹林へと出た。

「んじゃあ、とりあえず…(なんか出ろ!)って念じながら手を前に突き出してみて?手のひらを前になるようにして。」

とりあえず、俺は言われるがままに動いてみた。
突如、手の突き出したほんの少し奥の空間に炎の弾幕が出た。

「あっ…!」
「む、これは私の弾幕と似てるな」
「そうね、恐らく目覚めたのは…『炎を操る程度の能力』じゃないかしら。」

炎。確かに今なら氷の妖精くらいなら溶かせそうだった。

「じゃあ次ね。自分のスペルカードを創り出しましょう。イメージ…できてるかしら?」
「大丈夫です。どんな能力であれ、こういうタイプのスペルカードを創ってみたい、というのはありましたので。」
「OKね。じゃあ、宣言して頂戴?」

創ってみたいスペル。それは、剣を出現させるスペルだった。

そして宣言する…

(妹紅視点に移ります)

この少年は不思議で詰まってる、いや。不思議でできてる。
そんな少年…紅蓮のスペルカード。
どんなものになるんだ…?


炎剣「フラム・ルージュ」


紅蓮がそう宣言した直後。
紅蓮の手元あたり、少し後ろから紅い魔法陣が出現した。
そこから棒が少し顔を出した。
紅蓮は炎剣、と宣言していた。だからその顔を出した部分はおそらく剣の柄だろう。

その両方の手元にある柄を同時に掴み、引っ張る。そこから鍔、刀身と姿を現す。
やはり、双剣だ。真紅の双剣、フラムルージュ。
果たして、どんなものなのだろう…?

紅蓮が剣を強く握りしめると刀身から炎が溢れ出す。そして試し斬りをするのか、竹に近づく。
ひと振り、それだけで竹が切れ、その切り口から燃えていく。ほぼ一瞬で竹を燃やす、その力。
私はしばらく見とれていた。

(視点は戻ります)

「うん、十分ね。弾幕戦で使えばきっと切った後から弾幕が生まれるわ。」
「ありがとうございます…。それより、にとりさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。なんとか一命を取り留めたわ。」
「よかった…」

せっかく仲良くなれたのに死んでしまうなんて嫌だ。そもそも死んで欲しくない。誰にも。
だが、犯人には罪を償ってもらう必要がある。俺は剣をしまうと、強く拳を握り締めた。

「にとりさんに聞きたいことがあるので、戻ってもいいですか?」
「ええ、大丈夫よ。いきましょう。」