幻想人迷劇 その拾捌
「とりあえず永遠亭にいかなきゃ。まだ死んではいないようだから。」
~少女(を運んで)移動中~
「迷いの竹林忘れてた・・・。」
永遠亭に行くには迷いの竹林を通らなければならない。一度入ったら一人では抜け出せないらしい。
記憶では案内人がいるはずだが・・・
「永遠亭に行きたいのか?」
後ろから声がした。
「はい・・・。大怪我で気を失っている妖怪を連れていきたいのですが、道が分からなくて・・・」
「なんだと!?今すぐ連れて行かなきゃ大変じゃないか!よし、私なら道が分かる。ついてきてくれ!」
ああ、このひとだ。この人が案内してくれる人、藤原妹紅だ。
とにかく急いでにとりさんを運ぼう。妹紅さんについていこう。
妹紅さんはすごいスピードだ。普通の人間だったらあっという間に見失うだろう。何よりすごいのが、走ってこのスピードなのだ。自分は最高速度なのに、妹紅さんはこっちに合わせている気がする。
そんなことを考えているうちに永遠亭が見えた。
「お師匠さま、急患のようです。」
「わかったわ、鈴仙。案内はてゐにまかせて、準備をするわよ。」
「え、永琳さん!いらっしゃいますか!?」
「おちつけ。お師匠様はこっちだ。ついてきな。」
~移動中~
「これはまた、大怪我ね。ちょっと待っていて。」
~手術~
「これでとりあえずは大丈夫よ。しばらくは病室ね」
「よかった・・・!」
あれ、永遠亭って診療所じゃなかったっけ・・・
「いったい何があったのかしら・・・スペルカード戦じゃこんなにはならないはずだけど・・・」
「本人の意識が戻り次第、聞いてみようと思います。あ、あと一つお願いがあるのですが・・・ゴニョゴニョ。」
「自分にも何らかの能力が欲しい、ですって?私を便利キャラだとおもってるのかしら?」
「や、やっぱ無理ですよね・・・あはは・・・」
「ないことは無いけどね」
「え」
「ただ、一つ問題があるのよ。副作用でね、殺人衝動が増幅してしまうの。能力自体もかなり物騒なんだけど・・・」
「それでも大丈夫です!制御して見せます!」
「もし、だれかを殺したらわたしがあんたを木っ端微塵にしてあげるわよ」
「れ、霊夢さん!?なぜここに・・・」
「少し心配で様子を見に来たのよ。どうやら大丈夫そうね。」
なんだかんだいって霊夢さんも優しいとおもう。
「まぁ、あなたが責任とるなら大丈夫そうね。薬を持ってくるわ。」
~キングクリムゾン!時は消し飛ぶ!~
「これよ。薬の名前は『キラークイーン』。触れたものを爆弾に変える程度の能力よ。」
殺人衝動の増幅もうなずける名前だ。
僕はその薬を受け取り、飲み干した。
「なんだ・・・この感覚は・・・!?」
「ためしに表の野うさぎか竹を爆破してみなさい。」
僕は竹に手を触れ、離し、距離をとって、言葉を放つ。
「点火ッ!!」
するとその竹が大きな爆発を起こした。
「これを使いこなせれば・・・!」